この記事で分かる事
・「農作物缶詰及び農産物瓶詰」の食品表示における名称・表示方法
・「農作物缶詰及び農産物瓶詰」の条件による定義
・食品表示法においての基準別表第四の要点
本記事では食品表示法においての良く出てくるワードである「別表第四(別表第4)」の中の「農産物缶詰及び農作物瓶詰」の項目についてわかりやすくまとめた記事です。
消費者庁が発行している食品表示基準別表4にはさらに詳しく詳細が書いてありますが、読みにくいためまずは前提知識として要約まとめの本記事の閲覧をオススメします。
■農作物缶詰及び農産物瓶詰の定義・名称ルール
定義⇒農産物を詰めたもの(精米、農産物加工品と共に詰めたものは該当しない)
※本記事では農産物を詰めたもののについて記載しています
①名称は一般的な名称をもって表示
〇 パイナップル、グリーンピース、もも
× 菠蘿、鳳梨、松かさ(←パイナップルの別名だが一般的ではないためNG)
・フルー ツカクテル⇒「フルーツカクテル」
・フルーツカクテル以外で⼆種類以上の農作物を使用 ⇒「2種混合果実」、「3種混合野菜」、「混合農産物」等と表⽰
②充てん液(シラップ・果汁等)を加えたものの場合
・「果実のみ」を詰めたものの表記⇒「一般的名称」+「・」+「充てん液の種類」で表示
例:パイナップル・シラップ漬け(ライト)、さくらんぼ・シラップ漬け(ヘビー)
※可溶性固形物=液中に溶けている物質
・「果物以外を詰めたもの」の表記
例:たけのこ水煮、なすしょうゆ漬け等
③ドライパック(充填液を加えない)の場合
「一般的名称」+「・」+ドライパックと表示⇒例:大豆・ドライパック
④アスパラガス・グリーンピース・マッシュルーム・もも・梨の場合
〇アスパラガス:ロングスピアー、スピアー、チップを詰めたもの
・色を区別しているもの⇒表示例:「アスパラガス・水煮(ホワイト)」と表示
・色を区別していないもの⇒表示例:「アスパラガス・水煮(色混合)」と表示
〇グリーンピース
・もどし豆の場合⇒表示例:「グリーンピース(もどし豆)」と表示
〇マッシュルーム:ホワイト種以外
マッシュルーム+(品種)と表示⇒表示例:マッシュルーム(ブラウン種)、マッシュルーム(クリーム種)
〇もも
果実の名称別により表示⇒表示例:白もも、黄もも
〇梨
果実の名称別により表示⇒表示例:洋なし、和なし
■農作物缶詰及び農産物瓶詰の原材料名
①原則/基本ルール
・使用原材料の重量の高いものから順に表示する
・一般的な名称で表示する⇒表示例:アスパラガス、白もも、あんず、ぶどう、こんにゃく
・シナモン等の香辛料場合⇒表示例:「香辛料」と表示可能
②同農作物・二種類以上の場合
・「農作物」「野菜」「果物」+(使用した農作物)と表示⇒表示例:野菜(人参、玉ねぎ、セロリ)と表示
③果汁が二種以上の場合
・果汁+(複数の果物名)と表示⇒表示例:果汁(みかん、ぶどう)と表示
④果汁が濃縮還元の場合
・果汁・果実の名称+(濃縮還元)と表示⇒グレープフルーツ(濃縮還元)と表示
⑤砂糖類の場合
・一般的な名称で表示⇒表示例:果糖ぶどう糖液糖、砂糖、ぶどう糖
・ぶどう糖果糖液糖、果糖ぶどう糖液糖、 ⾼果糖液糖の場合⇒「異性化液糖」と表示可能
・「砂糖類」を併用する場合⇒「砂糖類」又は「糖類」+(砂糖、ブドウ糖、水あめ等)と表示
ただし併用する場合は次のように表示することも可能
・「砂糖」と「砂糖混合⾼果糖液糖」を併⽤する場合⇒「砂糖・⾼果糖液糖」 ⼜は「砂糖・異性化液糖」と表⽰可能
・「砂糖類」を「砂糖混合ぶどう糖果糖液糖」併用する場合⇒「砂糖類・ぶどう糖果糖液糖」又は「砂糖・異性化液糖」と表示可能
⑥⾷酢の場合
・「醸造酢」か「合成酢」を区分して表⽰する
本サイトでは他にも本記事に関係のある食品名称に関する定義の記事・食品表示に関する記事を分かりやすくまとめています。
【食品表示法】名称の記載方法について管理栄養士が解説
【冷凍食品販売者向け】原材料配合割合・原料原産地表示について管理栄養士が解説
■本記事の筆者について
筆者名
夏川 圭吾
【プロフィール】
国立大学 食品関連学部卒業。
大手メーカー 商品開発部門、品質保証部門勤務。
食品表示検定上級 全国上位で合格し表彰有り。
食品表示法、食品衛生法、景品表示法などの知識を活かした食品に関わる表示全般について指導、確認を行なっている。
引用元
消費者庁 食品表示基準別表1~8
法令検索 平成二十七年内閣府令第十号食品表示基準
現行の表示基準における表示の方法について
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