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執筆者の写真横川仁美

【食品表示ラベル の作り方】プロがお答え!記載しなければならない項目等分かりやすく解説/アレルギー推奨表示「マカダミアナッツ」追記

更新日:10月5日


【食品表示ラベル の作り方】プロがお答え!記載しなければならない項目等分かりやすく解説

食品販売時には、食品表示法で決まった内容を食品表示ラベルに記載する必要があります。今回は、食品表示法で規定された内容やラベルの作成方法、そして違反による罰則について解説します。


食品表示ラベルとは?


食品表示ラベルは、食品表示法によって商品の包装容器に添付が義務づけられた表示です。表示方法や項目などが規定されており、消費者の安全性の確保や適正な食品の選択や使用をするうえでの、大切な情報源になります。また、食品事故が発生した場合には、責任の追及や行政措置を的確に行うために役立つものです。


食品表示ラベルの表示ルール

食品表示ラベルの表示方法には以下のようなルールがあります。


食品表示フォントサイズ具体例

・一般消費者が理解しやすい日本語で、容器包装の見やすい箇所に表示。

・文字及び枠の色は、背景色と対照的な色で表示。

・文字は、日本産業規格 Z8305(1962)が規定する、8ポイント以上の大きさで表示。

(表示可能面積が150㎠以下の場合は、5.5ポイント以上の大きさで表示することが可能。)


また、名称、原材料名などを「一括表示(枠内にまとめて書くこと)」を基本に表示することが規定されています。これにより、一目で必要な情報を把握できるようになっています。


食品表示ラベルに記載する項目は?

食品表示ラベルには、一般的に以下のような情報を記載します。加工食品の表示を例に説明します。


<表示例 >

食品表示表示例

<表示事項一覧>

①名称

一般的な名称を記載します(商品名ではありません)。


例)サクサク食感ビスケット×  ビスケット〇 


②原材料名

原材料は、使用した重量の割合が多い順に、一般的な名称で記載します。

書き方の中には様々なルールがあります。

代表的な「中間原材料・複合原材料」の書き方について下記画像より案内しております。

         ↓ 複合原材料・中間加工原料とは?について詳しくはこちら ↓


複合原材料・中間加工原料とは?管理栄養士が解説

③原料原産地

加工食品(輸入品除く)には、重量割合が最も多く含まれる原材料の原産地を記載します。

例)小麦粉(国内製造)、砂糖、卵、・・・・

         ↓ 原料原産地表示について詳しくはこちら ↓

原料原産地表示について管理栄養士が解説/リンクバナー

④添加物

添加物についても、使用量の多い順に物質名を記載します。さらに、原材料と明確に区別するために「/(スラッシュ)」で区切ったり、改行して記載します。

          ↓ 添加物記載方法について詳しくはこちら ↓

食品添加物のキャリーオーバーとは?

●「/」で区切る場合

原材料名

小麦粉(国内製造)、砂糖、ショートニング、卵黄、食塩/膨張剤、乳化剤


●改行する場合

原材料名

小麦粉(国内製造)、砂糖、ショートニング、卵黄、食塩、膨張剤、乳化剤


⑤アレルゲン

症例数や重篤度の高い「特定原材料」を含む食品には、アレルゲン表示が義務付けられています。「特定原材料に準ずるもの」は可能な限り表示するのが望ましいとされているアレルゲンです。


●特定原材料:義務表示(8品目)

卵、小麦、乳、えび、かに、落花生(ピーナッツ)、そば、くるみ※

 

※くるみは現在、経過措置期間。2025年の4月から表示が義務化。


●特定原材料に準ずるもの:推奨表示(20品目)

大豆、さけ、いか、あわび、いくら、ごま、さば、鶏肉、牛肉、豚肉、カシューナッツ、アーモンド、キウイフルーツ、オレンジ、バナナ、もも、りんご、やまいも、マカダミアナッツ、ゼラチン


【NEW】2023/12/23より アレルギー推奨表示へ「まつたけ」が削除/「マカダミアナッツ」が追加されました

          ↓アレルギー表示について詳しくはこちら↓

アレルゲン表示は、通常、原材料の後ろに括弧書きする「個別表示」が原則です。しかし、特定原材料が原材料として明示されている場合などは、例外的に「一括表示」が認められています。


表示例)

●個別で表示される場合

卵黄(卵を含む)


●一括表示の場合

原材料の最後にまとめて括弧書きで記載。

(一部に小麦・乳成分・卵を含む)


⑥内容量

「g」「ml」「枚」などの単位を明記して記載します。

⑦賞味期限・消費期限


比較的傷みにくい食品には賞味期限、品質の劣化が早い食品には消費期限を記載します。また、期限の表記は、通常「年・月・日」の順に表示します。


例)賞味期限 令和5年3月31日


↓  設定方法や目安等の詳しい情報はこちら  ↓

賞味期限・消費期限の設定方法

⑧保存方法

商品の特性に合った開封前の保存方法を記載します。


例)(要冷蔵)-18℃以下保存

例)直射日光・高温多湿を避けて保存


⑨製造者等

表示に責任を持つ食品関連事業者の名前や住所を記載します。

食品を販売する際に必要な表示2点

【食品に責任を持つ者について】+【食品を製造または加工した場所】 


【食品に責任を持つ者について】

・表記方法:①製造者 ②販売者 ③加工者 ④輸入者 の4パターンから適切なものを選ぶ

 ①製造者:自分の会社で製品を製造している場合

 ②販売者:他社が製造したものを販売する場合

 ③加工者:自分の会社で製品を加工している場合(製造とは異なる。※1参照)

 ④輸入者:海外から輸入した食品を販売する場合


※1 「製造」と「加工」の違い

 加工:食品の本質を変えず、形態を変える

    例)大袋で仕入れたものを小分け包装する、切断(仕入れたハムをスライス)、選別(サイズを分ける)、冷凍・解凍する、etc.

 製造:食品の本質を変化させ、別のものを作る(加工に当たらない)

    例)豚肉や調味料を原料としてハムを作る


【食品を製造または加工した場所】 

・表記方法:①製造所 ②加工所 の2パターンから適切なものを選ぶ

 ①製造所:製品を製造した工場や施設の場所

 ②加工所:製品を加工した工場や施設の場所

 ※1の内容どちらに当てはまるかで選択する

 また、製造者と同じ場所で製造または加工している場合は省略ができる


【表記例】ハムを製造している会社 ㈱○○ハム 東京都渋谷区1-1-1

・パターンA 表示責任者と製造している場所が同じ場合

 製造者:㈱○○ハム 東京都渋谷区1-1-1

 製造所:不要


・パターンB 表示責任者と製造している場所が異なる場合(同じ会社だが、本社と製造工場の場所が別)

 製造者:㈱○○ハム 東京都渋谷区1-1-1

 製造所:㈱○○ハム 北海道工場 北海道札幌市中央区2-2-2(屋号は省略可、住所のみ必要)


・パターンC:他社が製造したハムを仕入れて、自社で切断・包装(=加工)して販売している場合

 販売者:㈱○○ハム 東京都渋谷区1-1-1

 加工所:㈱○○ハム 北海道工場 北海道札幌市中央区2-2-2(屋号は省略可、住所のみ必要)


・パターンD:他社が製造したハムを仕入れて、何も手を加えず販売している場合

 販売者:㈱○○ハム 東京都渋谷区1-1-1

 製造所:㈱◇◇食品 神奈川県厚木市10-20(屋号は省略可、住所のみ必要)



⑩栄養成分表示

エネルギー(熱量)、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量の表示が必要です。

※上記は大まかな基本項目です。食品の種類に応じて表示項目が異なります。


   ↓  食品表示がよくわからない・作成に不安のある方はこちら   ↓

食品表示法自動対応サポート

食品表示ラベルの印刷方法

食品表示ラベルは、ラベルプリンターを使用するのが一般的です。


<食品表示ラベル作成する際の注意点>


・印字ミス

食品表示に必要な情報を漏れなく記載し、印字に誤りがないよう注意します。栄養成分表示やアレルギー表示の漏れや表示内容の誤りは、消費者に誤解を与えるばかりか、食品事故にもつながりかねず、商品や企業の信頼性を損ねる恐れがあります。


・法令改正

食品表示に関する法律は、時代や社会情勢に応じて改正されます。法令改正や制度の変更があった場合、ラベルの内容も対応する必要があります。


食品表示法に違反した場合



食品表示法に違反した場合、過失であり、指摘後にすぐに是正、対応をするのであれば、基本的に国から「指導」されることになります。


食品表示基準に則さない表示をした場合は、「指示」が出され、従わなければ、「命令」が下されます。それでも、その命令に従わなければ、「1年以下の懲役」または「100万円以下の罰金」、法人は、「1億円以下の罰金」の罰則が科されます。原産地や原材料について虚偽の表示をした場合は、2年以下の懲役または、200万円以下の罰金、法人の場合は1億円以下の罰金が科せられます。


なお、指示、命令が出されたときは、その旨が公表されます。


また、特定原料(アレルゲン)や消費期限の表示が適切でない場合は、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金または併科、法人の場合は1億円以下の罰金ですが、生命や身体に対する被害や拡大が懸念される場合は、回収等命令が出され、違反すれば3年以下の懲役、もしくは300万円以下の罰則、または併科が科せられます。


立ち入り検査等を拒めば、50万円以下の罰金となります。


まとめ


食品販売時には、適切な情報を食品表示ラベルに記載することが法律で義務付けられています。本記事では加工食品を例に挙げ、表示すべき基本項目について説明しましたが、鮮食品を含め、商品に応じた情報提供が必要です。表示漏れや誤った表記があると罰則が科せられることもあります。消費者が安心して商品を選べるように、正確な情報提供と法令遵守を心がけましょう。


食品表示法自動対応サポート

<参考文献>




執筆者

管理栄養士:横川仁美 

食専門ライター×Nadiaアーティスト(料理研究家)


管理栄養士を取得後、保健指導を中心に、のべ2500人の方の食のアドバイスに携わる。現在は、食事・栄養・食材のコラム執筆・監修、レシピ作成を中心に活動、薬機法・景品表示法・健康増進法・食品表示法の知識もいかしながら、様々な企業の記事作成や商品オリジナルレシピ開発を行っている。

横川仁美


(全データ2023/05/13参照)


※この記事に掲載されている情報を利用する際には、お客様自身の責任で行ってください。

※本記事の情報は公開時や更新時のものです。現在の状況や条件と異なる場合があります。また、記事の内容は予告なく変更されることがありますので、ご了承ください。


2023/8/25 更新

2024/6/3 アレルギー推奨表示「まつたけ」削除・「マカダミアナッツ」追加を追記

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